義務化されているから急いで構築したHACCPですが、いまいちわかっていないという人も少なくありません。これからも長い間続けていかなければならないので、一度理解深めてしっかりと対応してみると良いでしょう。個人の飲食店などの小規模の店舗では、考え方を取り入れた衛生管理ができていれば十分とされています。その考え方とはいったい何でしょうか。
従来の衛生管理は抜き取り検査によって安全性を確認していたので、抜けがありました。つまり概ね大丈夫だと思う程度の確認だったと言えます。HACCPでは、確認すべきポイントを重要管理点として集中的に監視し、その結果を記録することしました。検査対象は残数なので、抜けがありません。
重要管理点とは作っている食品の危害となる工程がどこにあるのかを分析して決めるもので、その監視の方法も設定します。主には温度の変化があるところで、加熱不足や不適切な保管条件などで細菌が増殖するのを防ぎます。HACCPでは、10度から60度ぐらいの温度範囲が危険とされいて、加熱や冷却、保管のときにこの温度帯にならないことを重要管理点としてしっかり監視、記録することを求めています。通常の調理においても火加減や調理時間は気にしているはずで、その仕上がりの条件をわかりやすく明記することで、安全性を担保しています。
記録はあとから確認するためのもので、万が一のときに迅速な対応が可能です。このように安全な食品を提供できるようにするのがHACCPの目的です。